第1戦
SUPERBIKE RACE
in SUGO
高橋裕紀が
ポール to
フィニッシュで
ST1000 初ウイナーに!

2020年8月9日(日)
公式予選 天候:雨 コース:ウェット
2020年8月10日(祝・月)
決勝 天候:晴れ コース:ドライ
観客動員数 8,300人(2日間合計)

STORY

 全日本ロードレース選手権も他のスポーツイベントと同様に新型コロナウイルスの影響を受け、本来4月に開幕する予定だったが、延期や中止が相次ぎ8月9日(日)・10日(月・祝)に宮城県・スポーツランドSUGOでようやく2020年シーズンが開幕! 待ちに待ったレースウイークを迎えた。
 日本郵便 Honda Dream TPは、昨年、激戦のST600クラスを制した小山知良を引き続き同クラスにゼッケン1をつけてエントリーし、新たに始まるST1000クラスに高橋裕紀を起用。小山は、2連覇を、高橋は、初代チャンピオンを狙う。2人は、ポケバイ時代から切磋琢磨してきたライバルであり、公私でも付き合いのある親友でもある。国内外で活躍してきた実績を持っておりレース界を引っ張って行く存在でもある。その2人を擁して臨む2020年シーズンは、チームとして当然2クラス制覇を狙って行く。ST1000クラスには、Hondaが威信をかけて登場させたニューCBR1000RR-Rで戦うことになる。新クラスの初勝利をぜひ手にしたいところだ。
 3月下旬に鈴鹿でシェイクダウンしたものの、その後、緊急事態宣言もあり、再び動き出したのは、7月に入ってからだった。ツインリンクもてぎのスポーツ走行を走るが、ほとんどウエットコンディションで、ドライでは僅かな時間しか走ることができなかった。7月下旬に行われた事前テストでも、初日は避難勧告が出るほどの大雨に見舞われ、2日目も1本目はウエット、2本目はドライとなったが、ST600は多重クラッシュが発生したためセッションが短縮されてしまっていた。思うようにマシンをセットアップできない中、高橋はトップタイムをマークしていたが、課題は山積みとなっていた。
 レースウイークも初日、2日目と雨に見舞われたためウエットのセットは、進めることができたが、決勝日は晴れの予報のため、ドライセッティングも想定しながら走行を続けた。ウエットで行われたST1000クラスの公式予選では、セッション序盤にアタックしたタイムがベストとなり、このタイムを上回る者は表れず高橋がポールポジションを獲得。最後に行われたST600クラスの公式予選。雨は、ほぼ止んでおり、路面は乾いて行く難しい状況。この中で転倒車も多く、赤旗中断もあった。小山は、セッション最後にアタックすることを決めていた。

この読みがピタリとはまり、ただ一人1分42秒台に入れる1分42秒818をマークし、こちらもポールポジションを獲得。日本郵便 Honda Dream TPが、まずは予選で2クラス制覇を果たした。 
 決勝が行われた山の日は、朝から青空が広がり、真夏の暑さが戻ってきていた。朝のウォームアップ走行でドライのセットを確認。いよいよ全日本ロードレース初開催となるST1000クラスのレースがスタートした。高橋は、好スタートを見せ、ホールショットを奪うと、そのままレースをリード。まずはペースを上げて後続を引き離したいところだったが、ライバルもピタリとついてくる。ドライでの走行は絶対的に少なく、暑くなってからレースラップも走っていない。マシン、そしてタイヤはどんな挙動をするか分からない中、高橋はギリギリのところでハイペースをキープ。実際、転倒者も多く、厳しい状況となっていることは明らかだった。9周目には、追い上げて来た作本選手が背後に迫るが、馬の背コーナーで転倒。これ以降、高橋は独走状態となって行きトップをキープ。14周目に入ったところで赤旗が提示され、そのままレース成立。高橋が、全日本ST1000クラスの初代ウイナーとなり、Honda CBR1000RR-Rを勝利に導いた。
 この日、最後に行われたST600クラス。小山も高橋に続くべく気合いを入れて臨んだ。スタートは、まずまず決まり2番手で1コーナーに入って行く。ライバルがオープニングラップからペースを上げて来るのは、分かっていたため小山も全開走行に入る。しかしバックストレートで1台にかわされ3番手に後退。すぐに抜き返すものの、トップを走る岡本選手とは約1秒差がついていた。この差は、なかなか縮められなかったが、まだ周回数はあるだけに、あきらめずにプッシュし続ける。しかし、レースも折り返しとなったところでバックマーカーが出てくると、ちょうどS字コーナーでひっかかってしまい一気に2秒以上差が広がってしまう。それでも、まだチャンスはあるとアクセルを開けて行くがマシントラブルが小山を襲う。シケイン立ち上がりで失火したものの、一度は復活し2番手をキープ。しかし、またシケイン立ち上がりで失火すると5000回転以上まわらなくなってしまう。3番手に下がると、後続との差を確認しながら、何とかチェッカー。9位でゴールし、ノーポイントという最悪の状況は回避したのだった。

小山知良コメント

「コロナ禍の影響もあり、昨年の最終戦以来7カ月も600ccのバイクに乗っていませんでした。今年は、足回りを一部変更したので、事前テストからST600クラスは、天候はもちろん、多重クラッシュなどもあり恵まれず、思うようにセットを詰めることができていませんでしたが、最後まであきらめずに走っていました。マシントラブルは残念ですが、それでも最悪の事態は回避できたので、次戦以降、挽回して行きます」

高橋裕紀コメント

「何とか勝つことができてホッとしています。事前テストからトップタイム、予選でもポールポジションを獲れたので、周りからは、余裕があると思われていたようですが、全く余裕はなくギリギリのところで走っていました。レースでも序盤から逃げたかったのですが、後ろからつつかれていたので、今回は厳しいかと思いました。急に後ろから音がしなくなったので、サインボードで差を確認しながらゴールを目指しました。この調子でST1000クラス、初代全日本チャンピオンを目標に頑張ります」

手島雄介代表コメント

「まずは、再びレースができる環境を整えてくださった皆さんに感謝いたします。そして新たなチャレンジをご支援くださる日本郵便、Honda Dream、NTTコミュニケーションを始め、多くの方に御礼申し上げます。今回のレースは、最大の目標であるHonda CBR1000RR-Rを優勝に導くことを達成でき、うれしかったですね。ライダーの高橋裕紀を始め、メカニックの頑張りに。小山のマシントラブルは残念でしたが、しっかり原因を追及して次戦は、両クラスで優勝できるように準備して行きたいと思っています」

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