2022年8月27日(土)公式予選・ST1000レース1
天候:晴れ コース:ドライ
2022年8月28日(日)決勝・ST1000レース2
天候:晴れ コース:ドライ
大分県・オートポリス(1周=4.674km)
観客動員数 5700人(2日間合計)
ST600
#2 小山知良 予選:5番手(1'53"803) 決勝:6位
ST1000
#10 高橋裕紀 レース1 予選:4番手(1'51"369)
決勝:3位
レース2 予選:5番手(1'51"583) 決勝:4位
J-GP3
#14 岡崎静夏 予選:10番手(1'59"995) 決勝:9位
シーズン後半戦に突入した全日本ロードレース選手権。シリーズ第6戦の舞台は、大分県・オートポリス。鈴鹿8耐に参戦した小山と高橋は、休む間もなくオートポリスの事前テストに参加。不安定なコンディションに悩まされながら、ドライで走れたセッションもあり限られた時間の中で、マシンセットを進めていく。本来であれば、4メーカー合同枠を走ったライダーは、3日目に走ることはできないが、今回は、天候が悪かったため、1時間の特別スポーツ走行に参加できることになった。もともと土曜日のスポーツ走行も走る予定だったこともあり、高橋は、この走行で1分51秒622をマークしトップタイムを記録していた。
オートポリスで高い勝率を誇っている小山も様々な仕様のサスペンションをテストし、悩みながらもレースウイークに備えていた。J-GP3クラスの岡崎は、メカニックを変更。エンジニアの大木とデータを確認しながら着実にセットを詰めることができていた。
レースウイークは、事前テストとは一転して安定した天候となり、阿蘇のさわやかな空気の中でセッションは進んでいったのだが…。
ST1000クラスは、今回2レース制となっており、全6レースで争われる2022年シーズンの中で、1/3を占めるだけに特に重要なラウンドとなる。金曜日の走行でも渡辺選手、國峰選手が速く、どうしてもタイムを出せない状態が続いていた。そんな中、2回目のセッション終盤に高橋がファイナルコーナースタンド前で転倒を喫してしまう。幸いケガはなかったが、マシンにダメージが大きく、スペアマシンで公式予選に臨むことになってしまっていた。
土曜日は青空が広がり気温も上がったことからコンディションが変わってきていたが、それよりも高橋にとってはスペアマシンになったことの方が大きかった。ライバルたちは、セッション序盤にアタックしていたが、高橋は、メインマシンとのフィーリングの違いを確認しながらマシンセットを進め、セッション終盤にアタックし何とか4番手に食い込んでいた。
小山は、コンディションに合わせて決勝に向けたセットを進め、その中でマークしたタイムで5番手と、予定通り2列目を確保。岡崎も10番手と、今季では一番いいグリッドからスタートすることになっていた。
土曜日午後に行われたST1000クラスのレース1。予想通り2台が逃げ、高橋は4番手につけ前を追っていた。レース中盤に3番手に上がるが、今回は、それが精一杯。3位でゴールし、何とか表彰台に上がる結果となった。
レース2では、好スタートを切り渡辺選手の背後につけたところで赤旗が出てしまい仕切り直しとなる。周回数は14周から規定周回数ギリギリの9周に減算してリスタートが切られる。今度は、スタートで出遅れてしまい行き場をなくしたところを次々にパスされてしまいオープニングラップは痛恨の7番手。そこから追い上げていき3周目までに4番手に上がるが、9周という短い周回では、さらに上にいくのは難しく4位でゴール。ランキングでは3番手に下がったものの、トップとの差は8ポイント。残り2戦で逆転を狙う。
ST600クラスも波乱の展開となる。好スタートを切り1コーナーを2番手で立ち上がり、レースウイークで一番いいフィーリングを感じていたのだが赤旗が提示されてしまう。レースは10周に減算されてリスタートすることになる。上位陣は当然、新品タイヤに履き替えてグリッドに着き、小山もその例に漏れることはなかった。
しかし、異変が起きていた。マシンのフィーリングが全く変わってしまい、氷の上を走っているようになってしまっていた。当然ペースを上げることができずトップグループには置いて行かれてしまう。それでもレース中盤に1台をかわし5番手に上がり引き離すものの、最終ラップにフロントが切れ込み、リアがハイサイドし、あわや転倒という場面があり6番手に下がるが、確実にゴールすることに切り換え6位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
J-GP3クラスもスタートがディレイになるなど波乱含みだったが、岡崎は今季最高のレースを繰り広げた。まずは好スタートを切りオープニングラップを6番手で戻ってくる。その後、後続に飲み込まれるものの、5台による7位争いを繰り広げ周回を重ねる。この争いは最終ラップまで続き、岡崎は10位でゴールした。
「ウイーク通して車体のセットアップに苦しんでいて、いろいろ試していく中で決勝は、どれでいくかを決めることができていました。予選も、ここは1コーナーまで長いので最低限2列目という目標も達成できていたので、後は全力で走るだけという状態でした。実際にスタートして2番手で1コーナーを立ち上がったときに、今回のレースウイークで最高のフィーリングだったので “これならイケる!” と思った矢先に赤旗が展示されてしまう。ピットに戻って新品タイヤに履き替えてリスタートを切ったのですが、全くグリップせず氷の上を走っているような状態でした。しっかり原因を追及して、次戦に向けて気持ちを切り換えて挑みます」
「今回から体制を変えてもらい走行後には、大木さんにデータでマシンと走り方の状態を逐一見てくださっていたので、車両のセットもだいぶ進みましたし、ライディング面でもアドバイスをいただけたのでステップを踏むことができました。“日本郵便” という大きな看板を背負わせていただいているのに、前半戦は不甲斐ないレースばかりでした。やっとレースらしいレースができるようになってきたので、もっと日本郵便の皆さんを始め応援していただいている方に応えられるように頑張ります」
「まず日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。
今、世界ではコロナをはじめ、戦争等でたくさんの方々が苦しい思いをされている中、我々はレースに参戦させてもらえていることに感謝申し上げます。
今シーズンの目標である「チャンピオン奪還」に向けて、非常に重要な今回の九州大会では、多くの日本郵便の社員様はじめ多くの支援者の方々に現地にて応援を頂きとても嬉しく、3年ぶりに実施した選手のトークイベントでは胸が熱くなる思いでした。しかし、レースではチームの意気込みとは真逆の悔しい結果となり監督としての責任を感じております。3週間後の岡山大会に向けて時間がない中ではありますが、日本郵便 HondaDream らしいチームに修正できるよう邁進し、皆様と一緒に価値と喜びを分かち合えるよう努めます。引き続き宜しくお願い致します。」
高橋 裕紀コメント
「ウイークを通して速く走ることができない問題があり、そこを解決しないとトップ争いには加われないことは分かっていました。問題を抱えたまま挑んだレース1では、やはりトップ争いに置いて行かれ、何とか3位。レース2は、スタートがうまくいき渡辺選手の走りを見たかったところで赤旗。リスタートでは出遅れたところで一気に数台に抜かれてしまい9周では4位までが精一杯でした。改善すべきところはハッキリしているので、次戦は問題を解決して優勝できるように頑張ります」