第4戦
SUPERBIKE RACE
in スポーツランド SUGO
チーム力で戦った
SUGO ラウンド
絶望的な状況からつかんだ
価値ある4位

2022年6月 4日(土) 公式予選・ST600レース1
天候:晴れ コース:ドライ
5日(日) 決勝・ST600レース2
天候:晴れ/曇り コース:ドライ
宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.6211km)
観客動員数 8000人(2日間合計)

ST600 #2 小山 知良
レース1 予選:5番手(1'30"956) 決勝:優勝
レース2 予選:2番手(1'31"040) 決勝:4位

ST1000 #10 高橋 裕紀
#10 高橋裕紀 予選:4番手(1'29"119) 決勝:3位
#12 伊藤和輝 予選:13番手(1'30"322) 決勝:8位

J-GP3 #14 岡崎 静夏
#14 岡崎静夏 予選:22番手(2'03"699) 決勝:22位

STORY

 全日本ロードレース選手権は、シリーズ第4戦を宮城県・スポーツランドSUGOで迎えた。第2戦、第3戦と2&4レースが続き、JSB1000クラスのみとなっていたため、日本郵便 Honda Dream TPにとっては、今回が4月の開幕戦以来のシリーズ2戦目となる。ST600クラスの小山知良、ST1000クラスの高橋裕紀、J-GP3クラスの岡崎静夏に加え、今回は伊藤和輝がST1000クラスにスポット参戦した。
 走行初日となった金曜日は雨となったが、土曜、日曜はいい天気に恵まれ、久しぶりにパドックにもお客さんが入れるようになり、コロナ禍も終盤にさしかかっていることを感じさせた。
 ST600クラスは、今回のみ2レース制となっており、土曜日にレース1、日曜日にレース2が行われた。シリーズランキングを占う上で2戦分となるだけに重要なレースとなることは明らか。SUGOを鬼門としている小山は、事前テスト以外でも、スポーツ走行でテストを行い、体重も落とすなど、できる限りの準備をしてレースウイークに入っていた。もちろん高橋、岡崎、伊藤も同様にレースに備えてサーキット入りしている。
 土曜日は快晴となったが、前日の雨の影響で朝一番に行われたST600クラスの公式予選は、所々にウエットパッチが残っている状態。小山は、路面が乾くのを待ってからコースイン。調子は上々だったが、周りのライダーも速く5番手。セカンドタイムでは、2番手となり、レース2は、フロントロウにつけた。
 20周で争われたレース1は、羽田選手、荒川選手と三つ巴のバトルを展開。レースも折り返しとなる10周目の1コーナーで荒川選手を、11周目の、やはり1コーナーで羽田選手もパスしトップに立つとレースをリード。そのテールには羽田選手が迫り、ブレーキングでインに入られる場面もあったが、落ち着いてクロスラインを取りトップをキープ。絶妙なライン取りで後続を封じ込め、そのままチェッカー。今シーズン初優勝を飾った。
 そしてSUGOラウンド最大のハイライトとも言えるレース2を迎える。2周目にオイルを出したマシンがあり、小山はバックストレートでブレーキを握った瞬間、直立状態から転倒してしまう。

そのスピードは240km/hと全く減速できていない状態で放り出されてしまう。幸い身体は大きなケガはなかったものの、マシンのダメージがひどく、ほぼ全損状態。小山の他にも転倒者が出たため、すぐに赤旗が提示される。レースは再開されるか分からない状況だったが、17時35分より12周で仕切り直して行われることになった。マシンを見た小山は絶望的な気持ちになっていたが、チームはあきらめなかった。メカニックはもちろん、チームメイトのライダー、スタッフ総出で小山のマシンを修復。小山を信じて手から血を流しながらも工具を握るメカニックもいた。もちろんフレームのみならずダメージはあるものの、とりあえず走れる状態にできることが、すごいこと。実際、ストレートは真っ直ぐ走らず、右コーナーは接地感がなく左コーナーは曲がらない状態ながら、みんなの思いを乗せ小山は俄然気合いが入っていた。
 レースがスタートすると、もちろん本調子ではなくトップの2台には置いて行かれるが3番手をキープ。7周目に入るホームストレートで1台にかわされるものの、そのまま迫り来る後続を抑え4位でゴール。貴重な13ポイントを獲得した。
 ST1000クラスもスタート直後に多重クラッシュが発生し仕切り直しとなる。高橋はトップグループにつけ周回を重ねるがレース中盤に動きがあった際に前にいけず渡辺選手との3位争いを繰り広げ、このバトルに打ち勝ってゴール。伊藤は、フロントに問題を抱えたままトップグループを追っていたが、津田選手との7位争いとなる。何とか前でゴールしたいところだったが、レース終盤はさらに厳しい状態となってしまい8位でチェッカーフラッグを受けた。
 J-GP3クラスの岡崎は、チームはもちろん、多くの方がアドバイスをくださり、マシンもいい方向性が見えて来ていた。開幕戦のときよりは進化していたものの、まだ上位を走る状態ではなく、レースは15位争いを繰り広げ17位でゴールしている。

小山 知良コメント

「何てレースだ! レース1ではビッグバトルを制して今シーズン初優勝を飾りましたが、レース2はビッグクラッシュからチームのみんながマシンを修復してくれて走ることができ4位。鬼門のSUGOを何とか乗りきることができました。この4位はチャンピオンシップを考えても大きく暫定ランキング2位をキープできました。後半戦も、さらに強い走りができるように全力でプッシュします。日本郵便の皆さんを始め、現地に駆けつけてくれた皆さん、応援してくださった全ての方に感謝いたします。ありがとうございました」

高橋 裕紀コメント

「たくさん応援していただいたのですが、勝つことができず、ただただ残念です。限られた中で、自分の判断が遅れたことが、今ひとつマシンセットを詰め切れなかった原因です。シリーズランキングではトップをキープできたので、後半戦でしっかり勝てるようにチームと力を合わせて挑みます。日本郵便の皆さん、チームを始め応援してくださった方に感謝いたします」

岡崎 静夏コメント

「今回も多くの皆さんにアドバイスをいただき本当に感謝しています。結果的にマシンセット的にも、自分自身のライディング面でも、どちらも足りなかったことが明らかでした。その中で、ポジティブな部分もあったので、そこをうまく伸ばしていきたいですね。J-GP3クラスは、6月26日に筑波ラウンドがあります。好きなコースなので、いいレースにできるように頑張ります」

伊藤 和輝コメント

「まずは今回の参戦にあたりチームを始め、ご協力いただいた皆さんに感謝いたします。5月に地方選手権に出て、プライベートテストも行い、1分28秒台で走ることができていましたが、レースウイークに入りフロントの問題が出てしまい、解決できぬまま終わってしまいました。不甲斐ないレースになってしまいましたが、原因はハッキリしているので、次回に生かしていきたいですね」

手島 雄介 代表コメント

「まず日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。
今、世界ではコロナはじめ、戦争等でたくさんの方々が苦しい思いをされている中我々はレースに参戦させてもらえていることに感謝申し上げます。
我々にとっては今シーズン2戦目となった今大会。
ST600 Race1 での小山選手の優勝で始まり、GP3 岡崎選手、ST1000 伊藤選手は悔しい結果に、高橋選手はシリーズを考えれば素晴らしい結果でした。
プログラム最後のST600 Race2 では、小山選手が他者の撒いたオイルに足元を掬われて240km/hからの大転倒。体は大事に至らずでしたが車両は廃車レベルに大破。
それでも、普段からの小山選手の努力をはじめチームにはいい流れを止めない力がありました。
チーム全員で総力をあげて小山車を修復し、なんとか再レースに間に合い、小山選手の気合いと根性とテクニックで、完全修復には遠い真っ直ぐ走らないバイクでもみんなの気持ちを乗せ無事4位でゴール。
数字の中身に、感動と沢山の勉強がありました。総じて言えば今大会もチームは全力で戦えました。
これも、一緒に突き進んで頂いている日本郵便の社員の皆さまはじめ、多くのスポンサー様、サポーターの皆さまから頂いている応援のおかげです!
本当にありがとうございました‼
今後もレースの結果と中身が皆様の少しの幸せになれるよう邁進して参ります。」

RACE
TEAM
PHOTO Gallery : RACE
PHOTO Gallery : TEAM