約2カ月のインターバルを空けての開催となった全日本ロードレース選手権ST600クラス。シリーズとしては、第4戦だが、第2戦、第3戦は、JSB1000クラスのみの開催だったため、ST600クラスは、今回が2戦目となる。前戦では、1-2フィニッシュを飾った日本郵便 HondaDream。今回も、その再現を狙いたいところだった。
2週間前に行われた事前テストでは、國峰が最後に転倒しタイムを出す前に終わっていたが、セッティングは、ほぼ煮詰まってきており、細かい調整をレースウイークにすればいい状態となっていた。小山は、アジアロードレース選手権のレースウイークのため参加できず、5月頭にスポーツ走行でテストを行い、一般のライダーが走る中にも関わらず、すぐに1分32秒台に入れるなど調子は、悪くなかった。この2人について行きたい亀井も必死にもがいていた。
レースウイーク初日は、気温も上がらず冷たい雨模様となった。ここで國峰は、ただ一人1分41秒台に入れトップタイムをマーク。事前テストからのマシンセットが、正しい方向に行っていることを確認。一方、小山は、マイペースで車体セットを進めて行った。亀井は、ウエットコンディションでも苦しみ22番手で初日を終えていた。
公式予選の行われた土曜日は、雨はほとんど止んでいたものの、時折霧雨が降り、やはり肌寒い一日となっていた。路面は、所々に濡れている部分があり、乾いて行く方向かと思い國峰は、コースインを少し遅らせていたが、開始3分ほどで雨が降り始めたため、慌ててコースイン。セッション終盤には、狙い通り雨は止み、路面も乾いて来ていたが、ポジション取りがよくなくタイムを更新できず4番手。小山も5番手に続き、2台とも2列目からのスタートとなった。
日曜日は、時折晴れ間も見えレースウイークの中では一番いい天気となったが、やはり気温は低く14時の時点で気温は19度だった。20周で争われた決勝。小山、國峰共に、好スタートを決め、小山が3番手、國峰が4番手で2コーナーをクリアして行く。オープニングラップで國峰が小山の前に出て3番手。トップを走る岡本選手を追いたい國峰は、2周目に南本選手をかわし2番手に上がると、3周目には、1分31秒台に入れ追撃態勢に入る。しかし、4周目のバックストレートでマシンに問題が発生。乗り方を工夫しながら何とか走っていたが8周目の4コーナー進入で振られてしまい4番手に、さらに馬の背コーナーで1台にかわされ5番手に後退する。何とか巻き返したい國峰は、1台をかわし4番手に上がるが、10周目のSPアウトコーナーで転倒。マシンがタイヤバリアの上まで飛ばされてしまい、そのままリタイアを余儀なくされる。
かわって2番手争いをリードすることになった小山だったが、フロントのセットが今ひとつ決まっていなかったが、何とか後続を抑えていた。しかし、レース終盤になるとライバルのアタックもあり、2台にかわされ4位フィニッシュ。チャンピオンシップを見据え、無理に仕掛けずに今回はレースを終えたのだった。亀井は、18位でゴールし3ポイントを獲得した。
小山知良コメント
「金曜日が雨になってドライで走ることができなかったのが痛かったですが、その中でも車体はいい方向に煮詰まってきていました。ただ、フロントがあと一歩詰め切れなかったのがレースに響きましたが、チャンピオンシップのことを、しっかり考えて、ノーポイントレースだけは、してはいけないので、今回の自分の仕事をしようと気持ちを切り換えました。次戦の筑波は、2レース制なので、しっかり結果を残したいですね」
國峰啄磨コメント
「事前テストからいい流れで来ていたので、雨でもいいフィーリングでしたし、ドライでもマシンセットは煮詰まっていました。予選では、ちょっとあてが外れてしまい最後にタイムを出すことができませんでしたが、決勝では、問題が起きるまでは後半セクションでトップに追いついていましたし、調子はよかったです。リズムを崩してしまい転倒してしまったのが悔やまれますが、気持ちを切り換えて次戦に臨みます」
亀井駿コメント
「根本的にレースに臨む姿勢から見直さないといけないことを痛感しました。もっとバイクのことを考える時間を増やし、バイクに乗る機会を増やして行こうと思っています。すぐに筑波ラウンドがありますが、できることは、すべてやって、次のレースに臨みたいと思っています」
手島雄介代表コメント
「今回も多くの応援、ありがとうございます。日本郵便さんでは、応援ツアーをしていただき、現地まで駆けつけてくださり感謝申し上げます。事前テストからライバルの速さが際立っていたので、どう戦うかが課題だったのですが、残念ながら國峰が転倒という結果に終わりましたが、小山は、しっかりシーズンを考えた戦い方をしてくれました。次戦の筑波は、2レース制なので気を引き締めて臨みたいと思っています」
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