第7戦オートポリスの後、第8戦岡山の事前テストをこなしたが、ここでもドライとウエットとコンディションは安定していなかった。ライバルと同ポイントでの暫定ランキングトップにつけている小山知良は、事前テストでは、ウエットは敢えて走らずにいた。
レースウイーク初日は、清々しい秋晴れに恵まれたが、台風24号が日本列島を縦断するコースで接近しており、土日の開催が危ぶまれていた。
ドライコンディションとなった金曜日は、1本目、2本目共に小山が1分34秒台に入れトップタイムをマーク。1本目は、事前テストと違うセットを試したが、あまりよくなかったため、2本目は、元の状態に戻し、さらにタイムを縮めていた。國峰啄磨も4番手と、まずまずの感触。亀井は、21番手につけていた。
土曜日は、予報通り雨模様となったが、時折雨は強くなっていたが、ほぼ予定通りにタイムスケジュールは進行していった。しかし、台風24号は確実に接近しており、7月の西日本水害で岡山は被害を受けているだけに、早めに中止の決定が出されると思われていた。実際に日曜日のレース中止がアナウンスされたのは、この日、最後の予選となったST600クラスが始まる直前だった。リリースには、予選順位でハーフポイントが与えられることも明記されており、タイトルを争う小山にとっては、リスク覚悟で攻めなくてはならない予選セッションとなっていた。事前テストでウエットを走っていない小山だったが、セッション序盤は、コースコンディション、ウエットでのマシンフィーリングを確認すると、セッション終盤にアタックを開始する。なかなかクリアラップが取れない中、最後のアタックで1分41秒045をマークし4番手。ライバルが5番手となったため、小山は、1ポイントリードし、暫定ランキングトップで最終戦鈴鹿を迎えることになった。國峰も最後のアタックでは、セクター1で自己ベストをマークしながらバックストレートで避けていたライダーがレコードラインに戻ってきてしまいタイムを出せずに6番手。亀井は24番手で予選を終えている。
小山知良コメント
「初日の1本目は、事前テストで試せなかったセットで走り、今ひとつだったので2本目は、元に戻して走りました。両セッションともトップタイムでしたが、どちらも引っかかってのタイムでしたし、攻めきっていない感覚もあったので、もっといいタイムを出せる状態でした。事前テストでウエットは走りませんでしたが、今まで走った経験があるので、予選を走りながらライダーがどれだけアジャストして走ることができるかの勝負でした。最終的に4番手となりライバルに対して1ポイントリードすることができました。フラットみたいなものですが、レースは何があるか分かりませんし、この1ポイントが生きてくるかもしれません。最終戦は、とにかく勝つことを、前に行くことを考えるレースをするだけですね」
國峰啄磨コメント
「事前テストでは、順調にセットも進み1分33秒台に唯一入れることができていましたし、岡山国際サーキットは得意なコースでもあるので自信がありました。レースウイーク初日は、ドライコンディションでしたが、1本目はユーズドタイヤで確認して、2本目で新品タイヤを履けば事前テストのタイムくらいは出せると思っていたのですが、赤旗が続いてしまい新品タイヤのいいところを使えずに不発でしたが他のサーキットに比べると自分自身に余裕があったのでドライでもウエットでもいい走りができると思っていました。ウエットの予選も自信があったのですが、最後にアタックしていたときにバックストレートで避けていたライダーがレコードラインに戻ってきてしまいタイムを出せずに終わってしまいました。調子はいいので自信を持って最終戦鈴鹿を迎えられると思います」
亀井駿コメント
「手島代表、岩田監督を始めチームの皆さんがサポートしてくださったおかげで、走る度によくなってきていました。初日はドライコンディションの中、前半セクションは、よかったのですが、後半セクションでタイムを上げられずにいました。ウエットコンディションの予選は、セッティングはいじらずコースコンディションとマシンに慣れてタイムを出そうと思いましたが、ヘアピンでコースアウトしてしまいました。まだ一発タイムを出すことが、うまくできていないので、もっと集中してタイムを出せるようにしたいです」
手島雄介代表コメント
「日本郵便さん、Hondaさんを始め、多くの応援ありがとうございます。今回は残念ながら台風の影響で決勝レースはできませんでしたが、小山がしっかり予選を戦ってくれたので、1ポイントリードで最終戦を迎えられることになりました。國峰の調子もいいですし、亀井も今季最高位で終えられるようにしたいと思っています。最高の結果を得てシーズンを終えられるようにチーム全力で最終戦鈴鹿に臨みます。応援よろしくお願いいたします。」
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