第7戦
SUPERBIKE RACE
in 大分県日田市 オートポリス
小山が他を寄せ付けない
速さを披露!
独走で今シーズン最多勝
となる3勝目!!

2021年9月18日(土):
公式予選 天候:晴れ コース:ドライ

2021年9月19日(日):
決勝 天天候:晴れ コース:ドライ

大分県・オトポリス(1周=4.674km)
観客動員数:7,200人(2日間合計)

ST600  #3 小山 知良
予選:6番手(1'58"825)決勝:優勝
シリーズランキング:2位

ST1000 #13 伊藤 和輝
予選:16番手(1'54"093)決勝:9位
シリーズランキング:12位

STORY

全日本ロードレース選手権のシリーズ最終戦が大分県・オートポリスで開催された。コロナ禍のためスケジュールが変更され、9月半ばにしてシーズンの幕を降ろしたが異例のことだ。オートポリスが最終戦の舞台となることも初めてとなっていた。
 前戦、岡山ラウンドを不本意な形で終えた日本郵便 Honda Dream TP のトラックは、そのままオートポリスを目指し、前週のスポーツ走行を走り、小山も伊藤も最終確認を行った。
 レースウイークに入ると台風14号が九州に接近し停滞。初日となった金曜日に動きだし、その影響を受けてしまう。ST600クラスは、1本目がウエットから乾いて行き、残り2、3周だけ、ほぼドライ。2本目はウエットとなったが、風雨が強くなり赤旗が出ると、そのまま終了となっていた。小山は、1本目のセッション最後に土曜日も同じようなコンディションになることを予想し、ドライタイヤを履いてタイムを出し2 番手につける。
ST1000クラスは、2本目が中止となり、1本目のみとなっていたが伊藤も好調をキープし、3番手につけていた。
 天気が回復する予報となっていたが、ST600クラスの公式予選は、ところどころで濡れている不安定な路面状況で始まった。小山はウエットタイヤで出て行き、コンディションを確認しピットに戻ると、セッション終盤のタイムアタックに備える。陽が差し始め、路面から水蒸気が立つほど急激に乾き始めるとドライタイヤでコースイン。小山は、うまくクリアラップを取ることができ、セクター1、セクター2とベストタイムを更新していくが、セクター3で何と4台にひっかかってしまいタイムをロス。それでも6番手タイムを記録し、2列目からのスタートとなっていた。
 ST1000クラスの公式予選のころには、路面はドライコンディションとなっていたが、落とし穴があった。伊藤は、そこに吸い寄せられてしまう。

コースインし、ジェットコースターストレートエンドの60Rを立ち上がり、縁石に乗ったところでスリップダウン。高速コーナーだけにマシンは大破してしまうが、ケガがなかったことは不幸中の幸いだった。1周もできていないため、このままでは予選を通過できずレースにも出られない。伊藤は絶望の淵にいた。そして、レッカーに乗りサービスロードからピットに戻った伊藤を、メカニックたちが待ち構えていた。急きょイベントブースにあった展示車両を引き上げ、必要であろうというパーツを取り外して備えていたのだ。チーム総動員で修復作業を行い、セッション終了まで僅かとなったところで伊藤を再びコースに送り出す。。そして計測1周だけギリギリこなすことができ、16番手で何とか予選を通過できたのだった。
 しかし、マシンを修復したことでセッティングがリセットされてしまい伊藤にとって残されていたのは、20分のウォームアップ走行と決勝までの時間のみ。そんな状況でレースに臨んだ伊藤だったが、スタートで13番手まで上がると、2周目に1台、5周目に1台をかわし、前で転倒もあったため10番手に浮上。レース終盤にも1 台をかわし9 位でチェッカーフラッグを受けた。
 そしてST600クラスのレースでは小山が圧倒的な強さを見せた。スタートで4
番手に上がると、第1ヘアピンまでに3番手に、そして第2ヘアピンで埜口選手をかわし2番手に浮上。トップを走る長尾選手のテールをマークする。そして3周目に入るホームストレートでトップに上がる。序盤は、ポジションを入れかえながら7台の集団になっていたトップグループだったが、8周目の1コーナーで小山が再びトップに立つと一気にスパート。2番手以下を引き離し独走態勢に入ると2位に5秒以上の大差をつけ今シーズン3勝目をマーク! タイトルには僅かに届かなかったが最多勝利を挙げ、その速さを見せつけた。

小山 知良 コメント

「“圧倒的な強さで勝つ”という目標を掲げて今回のオートポリスに乗り込みました。オートポリスは、タイヤに厳しいコースなので1発タイムは出せても、アベレージを上げるのは、なかなか難しい。序盤のタイヤのいい状態のときは、他のライダーも来ると思いましたが、予想通りの展開でした。タイトルには届きませんでしたが、いいシーズンの締めくくりになりました。これも応援してくださった皆さんのおかげです。人生において、ミスや失敗はつきものですし、それを恐れるのではなく常に前を向いて全力で突き進み、勝利にこだわるのがコヤマックススタイルでもあります。これからも攻め続けるコヤマックスをお見せできればと思っています。今シーズンも多くの応援ありがとうございました。」

伊藤 和輝 コメント

「岡山ラウンドから自分自身の調子はよく、今回のオートポリスは最終戦なので、ぜひ表彰台に上がりたいという思いが空回りしてしまいました。予選での転倒は、本当に申し訳ありませんでした。チームの皆さんがマシンを修復してくださった、おかげで予選を走れて、レースに出ることができました。その分もとレースで追い上げたかったのですが、マシンが変わったことに対応できず悔しい結果になってしまいました。今シーズンは、4戦5レースを日本郵便Honda Dream TPの一員として走らせていただき、とても光栄でした。そこに見合う結果を出せなかったのは申し訳ない思いでいっぱいですが、日本郵便、Honda Dream、NTTコミュニケーションズ、そしてチームの皆さんに感謝いたします。」

手島 雄介 代表 コメント

「まず日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。
前回の岡山大会から今回の最終戦は出来るだけのことをやり、戦うだけ戦い、結果を出した上で天命を待つのみという形で挑みました。
最終結果は3年連続チャンピオン獲得とはならず応援頂いております皆様には吉報をお伝え出来ず大変申し訳ございませんでした。毎年シーズンごとに思うことはありますが、今シーズンは「あきらめない力」という言葉がふさわしいシーズンでした。
コロナ禍で行われ、昨年よりもコントロールが難しい中、工夫をもって中止をせず大会が全て開催されたこと、開幕での最後尾からの優勝、第2戦での転倒リタイア、最終戦でのマシン大破からの神がかり的な修復劇、そして最終戦での優勝と山あり谷ありで、まざまざとスポーツを痛感致しました。本当に人生によく似ていると思います。だからこそ、ここから伝え届け、築くことで皆様のお役に立てることは必ず在ると思えます。
皆様に応援を頂いてるからこそ、我々はしっかりとした矜持をもちこれからもその価値を最大化できるよう努めて参ります。
2021年シーズンも温かく、力強い応援を頂きまして誠に有難く感謝申し上げます。
今後も何卒宜しくお願い申し上げます。」

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