2018 MFJ全日本ロードレース選手権

シリーズ 第7戦

MFJスーパーロードレース in 九州

KYUSHU MOTORCYCLE FESTA 2018

 大分県・オートポリスで開催された全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦は、前週の事前テストから不安定な天候と施設の停電、レースウイークに入っても濃霧と強い雨でスケジュールは大きく狂って行った。初日となった金曜日の1本目は、中途半端なコンディションとなっていたため、3人とも確認程度の走行に止め、レインコンディションとなった2本目は、フルに走りマシンセットを進めていった。

 土曜日も朝から雲が降りて来てしまい視界不良のため午前は走行できず。レース1は、キャンセルされることになり、午後に各クラスの公式予選が行われることになった。

 30分1セッションで行われた。雨は止んでいたものの路面はフルウエット。レインタイヤをチョイスし、まずはコースの状況を確認。マシンセットを詰めると計測最終周にベストタイムをマーク。昨年、オートポリスラウンドを独走で制している國峰啄磨が2番手、小山知良が3番手となり、2台がフロントロウスタートとなった。亀井駿はオートポリスの攻略に苦しみ27番手で予選を終了した。

 日曜日は、それまでの悪天候から一転しオートポリスには青空が広がった。各クラスとも見応えのあるレースが繰り広げられ、この日、全日本では最後となるST600クラスのレースを迎える。

 小山は、サイティングラップに真っ先に出て行き、一度ピットに戻り、マシンセットを変更。さらにグリッドに向かうときにマシンの確認と共に、勝負どころのブレーキングポイントを確認しグリッドに着くと、最後のマシンセットを行いレーススタートを迎える。

 好スタートを切った小山は2番手、國峰は3番手で1コーナーを立ち上がると、小山が2コーナーから3コーナーへの切り返しでトップに立つ。しかし続く第1ヘアピンで亀井選手にかわされ2番手となり、オープニングラップは、小山が2番手、國峰が4番手で戻って来る。トップグループは、5台が形成し、3周目には、國峰が小山の前に出ると5周目の1コーナーでトップに立つ。小山も2番手に上がり日本郵便Honda Dreamが1-2体制を築いていた。その後方からはタイトルを争う岡本選手が迫って来る。

 そしてレース終盤になると小山と國峰、そして岡本選手の3台にトップ争いは絞られる。12周目の1コーナーで國峰をかわして小山がトップに立つとラストスパートに入る。岡本選手も國峰をかわし2番手に上がり、14周目の1コーナーで小山もパスされてしまう。そして最終ラップには、岡本選手、小山、國峰のオーダーで突入。1コーナーのブレーキングで小山は岡本選手に並びかけるが、かわすことができない。しかし本当の勝負ポイントは第2ヘアピンだった。小山は、ブレーキングで岡本選手のインに入るとトップに浮上! そのままチェッカーフラッグを受け今シーズン2勝目を挙げた。國峰は3位に入り、日本郵便Honda Dreamの2人が表彰台に上がった。小山は、この勝利で暫定ランキングトップタイとなり、残り2戦でタイトル奪取を狙う。

小山知良コメント

「今回も日本郵便さんの応援団を始め、多くのご声援ありがとうございました。走行時間の少なく、みんなセットが決まっていない中で迎えたレース。チームと話し合いAプランからCプランまでセッティングを考えてレース直前までセットを行ってスタートしました。サスペンションセットは、うまく決まり、タイヤがすべるようになってきてから、よく曲がるようになってきていました。チームの総合力でつかんだ勝利ですね。すぐに岡山の事前テストがあるので、5年振りに走るコースをしっかり攻略してレースウイークに臨みたいと思っています。その後は、最も過酷なアジア選手権で腕を磨いて、最終戦の鈴鹿に2000年以来、18年振りの全日本タイトル奪取を目指して行きたいと思っています」

 

國峰啄磨コメント

「SUGOラウンドでリタイアしているので、ここでボクがやる仕事は優勝することだと思っていました。ケガは、もう治っているので言い訳にはできませんし、小山選手、岡本選手とバトルをして勝つことができなかったのは、まだ2人に対して差があるんだと思います。その差を縮められるように次戦までに成長して、今度は表彰台の真ん中に立てるようにトライしたいです」

 

亀井駿コメント

「絶対的に走行時間が少ない中、頑張っているのですが、頑張るポイントが間違っていたようで、なかなかタイムに結びつきませんでした。今回も小山選手を始め、チームの皆さんがバックアップしてくださいましたが、残念ながら決勝でトラブルが出てしまいました。悪い流れを断ち切って次戦の岡山ラウンドに臨みたいと思います」

 

手島雄介代表コメント

「今回も日本郵便さん、Hondaの皆さんを始め、多くのご協力感謝いたします。日本郵便さんの応援団は、260名も来てくださり、その前で優勝するレースをお見せできたのは、チーム代表として、うれしく思います。小山の冷静な判断、國峰の勢いは、シーズン後半戦最初のレースで、いい流れを作ってくれたと思います。この勢いで残り2戦、チーム一丸となって戦って行きたいと思っています。引き続き応援よろしくお願いいたします」